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Vol2メンタライジングについて:メンタライジングと疾患について
メンタライジング能力が低下する疾患 1. 境界性パーソナリティ障害(BPD) 特徴: 感情の不安定さ、対人関係の不安定さ、衝動的な行動 関係: メンタライジング能力が低下すると、他者の意図を誤解しやすくなる(「見捨てられた」と過剰に感じる)。 感情のコントロールが難しく、対人関係が激しく変動する。 「メンタライゼーションに基づく治療(MBT)」がBPDの治療として有効。 2. 自閉スペクトラム症(ASD) 特徴: 社会的コミュニケーションの困難、興味の限定、こだわりの強さ 関係: 他者の考えや感情を推測する「心の理論(Theory of Mind)」の発達が遅れることがある。 相手の感情や意図を適切に理解するのが難しく、誤解が生じやすい。 コミュニケーションのトレーニングや心理教育が有効。 3. 統合失調症 特徴: 幻覚、妄想、思考の混乱 関係: メンタライジングの障害により、他者の意図を歪めて解釈する(被害妄想が生じる)。 社会的認知(Social Cognition)の低下が対人関係の問題につながる。 認知行動療法(CBT)やメンタライジング訓練が有効。 4. うつ病(大うつ病性障害) 特徴: 抑うつ気分、意欲低下、自己評価の低さ 関係: 自分の感情をうまく認識・調整できず、自己否定的な思考に陥りやすい。 他者の気持ちをネガティブに解釈する傾向が強まる。 自己理解や他者理解を深めることで回復が促進される。 5. PTSD(心的外傷後ストレス障害) 特徴: フラッシュバック、過覚醒、感情の麻痺 関係: トラウマによってメンタライジング能力が低下し、過去の出来事が現在の人間関係に影響を及ぼす。 他者の意図を誤解しやすく、警戒心が強くなる。 安全な環境での心理療法(MBTやトラウマ療法)が有効。 特定非営利活動法人こころ和み カウンセリングルーム こころ和み 〒757-0002 山口県 山陽小野田市 郡 398番地23 電話番号:0836-43-9463 メールアドレス: shinri@kokoro-nagomi.jp 営業時間:10:00~22:00 グループホーム豊田(認知症対応型共同生活介護)…

メンタライジングについて
メンタライジング(Mentalizing)とは 自分や他者の心の状態(思考、感情、意図など)を理解し、それに基づいて行動を調整する能力のことを指します。特に、対人関係において重要なスキルとされ、精神分析や認知行動療法などの心理療法にも活用されています。 メンタライジングの特徴 1. 自己と他者の心を理解する能力 自分の感情や考えを客観的に捉える 他者の視点や感情を推測し、共感する 2. 心の状態を意識しながら行動を調整する 感情に流されず、適切な行動を選択する 対人関係において衝突を避ける 3. 発達過程で育まれる 幼少期の親子関係(アタッチメント)が影響を与える 安定した愛着関係があるとメンタライジング能力が高まりやすい 4. 心理療法における応用 メンタライゼーションに基づく治療 (MBT:Mentalization-Based Treatment) 境界性パーソナリティ障害(BPD)や対人関係の問題に効果的 感情調整が難しい人に対し、心の理解を深めるトレーニングを行う メンタライジングを高める方法 1. 自己観察を深める 日記を書いて自分の感情や思考を振り返る 瞑想やマインドフルネスで内面に意識を向ける 2. 他者の視点を想像する 「この人はなぜこう考えるのか?」と意識する アクティブリスニング(傾聴)を実践する 3. 感情の言語化を習慣化する 自分の気持ちを言葉にする練習をする 家族や友人と感情について話し合う メンタライジング能力を高めることで、対人関係のトラブルが減り、より良いコミュニケーションが可能になります。カウンセリングや支援の場でも活用できる重要な概念ですね。 次回 メンタライジングと疾患について 特定非営利活動法人こころ和み カウンセリングルーム こころ和み 〒757-0002 山口県 山陽小野田市 郡 398番地23 電話番号:0836-43-9463 メールアドレス: shinri@kokoro-nagomi.jp 営業時間:10:00~22:00 グループホーム豊田(認知症対応型共同生活介護) 〒750-0441 山口県 下関市 豊田町 中村 7-1 電話番号:083-757-0058 メールアドレス:grouphome.toyota@alpha.ocn.ne.jp

リストカットと自己肯定感について
リストカットと自己肯定感について 最近、若者の間でリストカット(自傷行為)をする人が増えているという報告があります。リストカットは単なる「痛みを感じるための行為」ではなく、心の奥深くにある不安や孤独、自己否定感の表れであることが多いです。特に、自己肯定感が低い人ほど、自傷行為に走りやすいと言われています。 なぜリストカットをしてしまうのか? リストカットをする理由は人それぞれ異なりますが、共通しているのは「心の痛みを和らげるための手段」としての側面です。 1. 感情のコントロールが難しい 怒り、悲しみ、不安、孤独などの感情が抑えきれず、それを外に表現する手段としてリストカットをしてしまう。 2. 生きている実感が欲しい 自分の存在を実感するために、痛みや血を見ることで「自分はここにいる」と確かめようとする。 3. 助けを求めている 誰かに気づいてほしい、理解してほしいという無意識のサインとして、自傷行為を繰り返してしまう。 4. ストレスやプレッシャーの解消 学校や家庭、友人関係の悩みなど、強いストレスを感じたときに、一時的に心を落ち着かせる手段として行う。 自己肯定感との関係 自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分の存在を大切に思える」という感覚のことです。リストカットをする人の多くは、この自己肯定感が低い傾向にあります。 「どうせ自分なんて…」という思いが強い 周囲の期待に応えられないと感じる 「自分が傷つくのは仕方ない」と思ってしまう 他人と自分を比べてしまい、自分を責める 自己肯定感が低いと、「自分を大切にする」という意識が薄れ、逆に自分を傷つけることでストレスを発散しようとしてしまいます。 リストカットをやめるためにできること リストカットをやめるためには、単に「やめなさい」と言われるだけでは解決しません。大切なのは、 ✅ 自分を受け入れること 「完璧でなくてもいい」「ありのままの自分を認める」と少しずつ意識する。 ✅ ストレスを別の方法で発散する 運動やアート、音楽、日記を書くなど、自傷以外の方法で感情を発散する。 ✅ 誰かに話す 信頼できる友人や家族、カウンセラーに気持ちを話してみることで、心が軽くなることも。 ✅ 小さな成功体験を積む 「できた!」という経験を増やすことで、自己肯定感を少しずつ高めていく。 さいごに リストカットをしてしまうのは、決して「弱いから」ではありません。心の痛みをどうにかしようと、一生懸命もがいている結果なのです。でも、傷つけなくても心が軽くなる方法は、きっとあります。 「自分をもっと大切にしていい」—そう思えるように、少しずつでも前に進んでいきましょう。あなたはひとりではありません。 特定非営利活動法人こころ和み カウンセリングルーム こころ和み 〒757-0002 山口県 山陽小野田市 郡 398番地23 電話番号:0836-43-9463 メールアドレス: shinri@kokoro-nagomi.jp 営業時間:10:00~22:00 グループホーム豊田(認知症対応型共同生活介護) 〒750-0441 山口県 下関市 豊田町 中村 7-1 電話番号:083-757-0058 メールアドレス:grouphome.toyota@alpha.ocn.ne.jp

vol.3若者のOD(オーバードーズ)と家族環境・愛着障害の関係について
3. ODを防ぐために必要な支援 若者のODを防ぐためには、単に「薬をやめさせる」だけではなく、背景にある心理的な課題にアプローチすることが不可欠です。 (1) 安心できる居場所の提供 「否定されない環境」:話を聞いてもらえる場所(カウンセリング、ピアサポートなど) 「自分を受け入れてもらえる感覚」:ODを責めずに、本音を話せる関係性を作る ➡ 「ここに来れば大丈夫」と思える場所が必要 (2) 感情調整のスキルを学ぶ 自分の感情に気づき、それを言葉にするトレーニング ストレスを感じたときに、薬以外の方法で対処できるようにする(認知行動療法など) ➡ 「薬に頼らなくても大丈夫」と思える力を育む (3) 家族へのアプローチ 親への教育:「愛着の問題」を知ってもらい、関係の見直しを促す 家族カウンセリング:過干渉・無関心な親の対応を改善 ➡ 「家族のあり方を見直し、本人が安心できる環境を作る」ことが重要 (4) 若者が自己肯定感を持てる支援 「何かに挑戦し、成功体験を積む」ことが大事(就労支援、趣味の活動など) 他者とのつながりを作る(地域活動、ボランティア、オンラインコミュニティなど) ➡ 「自分は生きていていい」と思える機会を増やす 4. こころ和みでできること こころ和みの活動として、若者のOD支援を組み込むことは、メンタルヘルス支援の幅を広げる良い機会になると思います。 🏡 考えられる取り組み OD・自傷行為をしてしまう若者向けのカウンセリング 安心できる「居場所」作り(コミュニティスペースやオンライン相談) 家族向けの講座(愛着障害や家族関係の改善方法を学ぶ) OD経験者のリカバリー支援(社会復帰プログラム) まとめ ODを繰り返す若者の多くは、「本当に助けてほしいけど、どうすればいいかわからない」状態です。 その背景には、家庭環境や愛着障害など、根深い問題が隠れていることが多いと考えます。 だからこそ、単に「薬をやめなさい」と指導するのではなく、 「なぜODをしてしまうのか? どうすれば心の安心を得られるのか?」を一緒に考える支援が必要だと思います。 特定非営利活動法人こころ和み カウンセリングルーム こころ和み 〒757-0002 山口県 山陽小野田市 郡 398番地23 電話番号:0836-43-9463 メールアドレス: shinri@kokoro-nagomi.jp 営業時間:10:00~22:00 グループホーム豊田(認知症対応型共同生活介護) 〒750-0441 山口県 下関市 豊田町 中村 7-1…

🏡 生活支援ホームこころ和み 外観完成予定のお知らせ 🏡
皆さまへ この度、「生活支援ホームこころ和み」の外観と内装の完成予定図ができましたので、お知らせいたします。 本施設は、利用者の皆さまに 安心・快適に過ごしていただける空間 を目指し、温かみのあるデザインと機能的な設備を兼ね備えた設計となっております。 🏠 施設概要 施設名: 生活支援ホームこころ和み 所在地: 山口県山陽小野田市大字山野井丸田1822-1 オープン予定日: 2025年7月1日 🌱 外観デザイン シンプルで温かみのあるデザインの平屋建てとなり、誰もが親しみやすい空間を目指しています。 ☕ 内装デザイン 広々とした食堂・交流スペースを備え、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気の内装となっています。 📸 完成予定図 今後の予定 📅 現在、内装や設備の準備を進めており、オープンに向けた最終調整を行っています。 🌟 見学会・説明会のご案内 🌟 施設オープン前に 見学会や説明会 を開催予定です。詳細は決まり次第お知らせいたしますので、ぜひご参加ください! 📞 お問い合わせ 電話番号: 090-5708-0556 メール: shinri@kokoro-nagomi.jp 担当者: 濱田陽介 引き続き、「こころ和み」をよろしくお願いいたします。 特定非営利活動法人こころ和み カウンセリングルーム こころ和み 〒757-0002 山口県 山陽小野田市 郡 398番地23 電話番号:0836-43-9463 メールアドレス: shinri@kokoro-nagomi.jp 営業時間:10:00~22:00 グループホーム豊田(認知症対応型共同生活介護) 〒750-0441 山口県 下関市 豊田町 中村 7-1 電話番号:083-757-0058 メールアドレス:grouphome.toyota@alpha.ocn.ne.jp…