Vol2メンタライジングについて:メンタライジングと疾患について

メンタライジング能力が低下する疾患

1. 境界性パーソナリティ障害(BPD)

  • 特徴: 感情の不安定さ、対人関係の不安定さ、衝動的な行動
  • 関係:
    • メンタライジング能力が低下すると、他者の意図を誤解しやすくなる(「見捨てられた」と過剰に感じる)。
    • 感情のコントロールが難しく、対人関係が激しく変動する。
    • 「メンタライゼーションに基づく治療(MBT)」がBPDの治療として有効。

2. 自閉スペクトラム症(ASD)

  • 特徴: 社会的コミュニケーションの困難、興味の限定、こだわりの強さ
  • 関係:
    • 他者の考えや感情を推測する「心の理論(Theory of Mind)」の発達が遅れることがある。
    • 相手の感情や意図を適切に理解するのが難しく、誤解が生じやすい。
    • コミュニケーションのトレーニングや心理教育が有効。

3. 統合失調症

  • 特徴: 幻覚、妄想、思考の混乱
  • 関係:
    • メンタライジングの障害により、他者の意図を歪めて解釈する(被害妄想が生じる)。
    • 社会的認知(Social Cognition)の低下が対人関係の問題につながる。
    • 認知行動療法(CBT)やメンタライジング訓練が有効。

4. うつ病(大うつ病性障害)

  • 特徴: 抑うつ気分、意欲低下、自己評価の低さ
  • 関係:
    • 自分の感情をうまく認識・調整できず、自己否定的な思考に陥りやすい。
    • 他者の気持ちをネガティブに解釈する傾向が強まる。
    • 自己理解や他者理解を深めることで回復が促進される。

5. PTSD(心的外傷後ストレス障害)

  • 特徴: フラッシュバック、過覚醒、感情の麻痺
  • 関係:
    • トラウマによってメンタライジング能力が低下し、過去の出来事が現在の人間関係に影響を及ぼす。
    • 他者の意図を誤解しやすく、警戒心が強くなる。
    • 安全な環境での心理療法(MBTやトラウマ療法)が有効。

 

 

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